二人のための居場所探し

二人で穏やかに過ごしていける場所を探している。その過程や日常、雑記など思いつくままに記していけたらと思う。

二人のための居場所探し.2

今日は訪れてみたいと二人で話していた『しょぼい喫茶店』に行くことができた。僕は人混みが得意ではない。平日昼過ぎなら人も少なかろうと思って電車に乗ったが、思いのほかサラリーマンの方々が多く苦労した。普段この時間に外に出ることのなかった公務員だから、人の動きが見えていなかった。少し体のだるさもあったが、それでも目的地にはなんとかたどり着くことができた。

 


『しょぼい喫茶店』は、想像以上にしょぼかった。入口からは本当に営業しているのかもわからず、扉を開けても音楽もかかっていない。人の気配が感じられない、といった感じだった。驚きを隠せなかった。

店主であるえもいてんちょうさんはなかなか雰囲気のある方だった。無口、というと聞こえが悪いように思うかもしれない。ただ、僕の受けた印象としてはたくさん話を振って、明るく元気に接するというタイプではない、ということ。音のない空間にいて、そこで自分らしく過ごしている。静かだけれども、あたたかみがある不思議な空間を作り出しているのは、えもいてんちょうさんの人柄があってこそだろう。しょぼい、とはうたっているが自分が自然体でいられる素晴らしい場所だと思った。

 


唐突に訪れて、不躾ながらいくつも質問をさせていただいた。にも関わらず、えもいてんちょうさんには誠実に真摯に対応していただいた。おかげで、自分たちの在りたい姿についてまた一つ考えを深めることができたように感じる。今悩んでいる立地のこと、業態のこと、住まいのことや色々なこと。プライベートに関わる部分まで聞かせていただいてしまって、今更ながら申し訳なくもなっている。本当にありがとうございました。

ただ、『しょぼい喫茶店』を見て、えもいてんちょうさんの話を聞いて確信したことが一つある。

 


『穏やかに、自分たちらしく』

 


帰り道の途中で、僕らは互いにそういう生活を思い描くことができた。気持ちも高まっていったと思う。まだまだ店舗の場所は決まらないし、先が見えないところも大きい。ただ、いつか必ず二人のための居場所を作れる。そういった確信が、僕の中ではできた。今日も素晴らしい一日になった。